千客万来

さあ、今週も調査が開始しました!

本日は、大阪大学構内のプールの横に新しい調査区(地点1)を設定しました。

この調査区は、待兼山1号墳に関する情報を得るために設定した調査区です。

このようにしてビニールのテープで掘削する場所をきちんと区画し、掘り始めます。

一方の地点2も引き続き掘削の作業を行なっています。

 

また、3連休の最終日ということもあり、

本日もOB・OGさんがたくさん見学に来られました!

様々なアドバイスもいただきつつ、

 

懐かしい話にも花が咲きました。

 

差し入れもたくさんいただき、本当にありがとうございました!

こちらの写真はほんの一部です。

みんな大喜びで、おいしく頂きました!

明日はあいにくの雨予報ですが、作業がいつでもできるように体調も含め、

万全で臨みたいと思います。(K)

新調査区での作業開始

今日はまず、昨日の豪雨で溜まった水の排出から行ないました。

日々、発掘調査が終わると調査区にはブルーシートをかぶせて内部が汚れないよう保護しています。

大切な遺跡を調査しているので、できるだけ遺跡が壊れないように注意しているのです。

昨日のような豪雨でもブルーシートで保護していれば

大丈夫です。問題ありません。

ブルーシートをとるときも、中に水が入らないよう慎重にチームプレイで行ないます!

 

今日は調査区を新たに設定し、掘削を開始しました。

現状でのトレンチの位置はこのようになっています。

(画像クリックで拡大)

 

もうひとつのトレンチの発掘調査も昨日に引き続き行なっています。

トレンチの断面に線を引いて、土層がどのような上下関係にあるかを整理します。

この作業は「分層」と呼ばれ、その地形や遺構がどのような経緯で形成されたのかを探る上で

重要な作業です。

今日は3連休の初日。

多くのOB・OGさんが見学に来てくださいました。

経験豊富な各氏から、貴重な意見を賜りました。ありがとうございました。

また、お土産も沢山いただきました。

写真は研究室メンバーが梨の皮をむいているところです。

いつもの発掘調査は合宿形式でおこなっているので、

男子も家事が得意。

でもいったいどうすればこんなに上手く皮をむけるのでしょうか…私、気になります!

来週はいよいよ調査も大詰め。体調に気をつけつつ頑張ります(U)。

突然の雷雨

本日の調査は晴天の中スタートしました。

今日は地点2(待兼山2号墳付近)の発掘調査と測量調査、地点3の写真撮影等を行ないました。地点2での掘削作業は遺構がないかどうかといった点を確認しながら行ないました。

また、測量調査も継続中。本日でだいたい終了できました。

地点2に設定した調査区では土層に注意しながら作業を堀り進めます。

地点3では様々な角度から写真を撮りました。

記録を残すことは発掘において非常に重要な作業になります。

午前中は全てが順調そのものでしたが、午後からはまさかの豪雨・・・・。

雷雨のため、作業は予定よりも早く切り上げとなりました。

研究室ではカレーを用意していただきました。美味しかったです!

さらに今日はTさんの誕生日ということでパーティが開催されました。

Tさん、おめでとうございます!!

発掘調査後も作業は続きます。

天候との戦いはまだまだ続きそうですが、明日以降も頑張っていきましょう!(K)

調査も中盤!?

秋らしく、涼しい風の吹く時期になってきました。

昨日に引き続き、地点2(待兼山2号墳付近)と地点3にて調査を進めます。

地点2では、土層の性格を見極めながら掘削を進めています。

先生にも見ていただきながら、慎重に土層を見極めます。

 

地点3では図面作成、写真撮影。

この調査区はもうすぐ調査終了です。

 

本日は、高知大学の清家先生が調査経過を見にいらっしゃいました。

清家先生は阪大助手時代、待兼山周辺で発掘調査を数多くなされ、

様々な成果をあげられています。

今日はその調査成果をふまえつつ、様々なご教示をいただきました。

清家先生ありがとうございます。調査を進める際の参考にします。

さて、今日は発掘調査の楽しみの1つ。

昼のお弁当についてお話しましょう。

毎日仕出しをしていただいているお弁当屋さん。

メニューも豊富で、調査員一同お昼が楽しみです。

今日は幕の内弁当!!!!。

お弁当はみんなの重要な活力源

野菜も多く、油分ひかえめで女性陣にも人気。

発掘調査期間中は、とにかく体調管理をしっかりしないといけないので、

睡眠・食事の大切さが身にしみます。

そろそろ現場に慣れてきたころ。

気の緩みがないよう、気を引き締めて頑張ります。(S)

作業も順調

本日は、天気も良くて、作業も順調に進みました。

しかし、汗を流す作業が多いので、きちんと水分補給をしています。

地点3では、図面の作成が始まり、トレンチや土層を丁寧に測りながら、作業を進めました。

記録作業は、さまざまな方に発掘調査成果を知っていただく重要な作業です。

もう一つの調査区では、昨日に引き続き掘削を行ないました。

トレンチの表土を剥いでから、黄色の層が見えてきました。

それで、層の上下関係を確認するため、トレンチの左上にサブトレンチを設置しました。

サブトレンチとは、トレンチの中で掘り下げる一部のことですが、トレンチの全体を破壊しなくても、土の堆積状態が分かるので、調査に不可欠なやり方です。

詳細はまだ分かりませんが、いくつかの土師器片(古墳時代の土器)が出土しました。

これから何が出るか楽しみです。

また、金属探知機でも調査をしています。

重大な発見があるかもしれません。

 

今日も一日疲れました。

作業が終わって急峻な阪大坂を登って・・・

研究室に戻ったら、晩ご飯が待っていました。

美味しい料理を食べながら、楽しい会話をしていたら、いつの間にか疲れが取れました。

毎日が大変ですが、楽しくて充実した日々です(J)。

2号墳を求めて

今日の作業は小雨降る中のスタート。

しかし午前中にはすっかり天気も回復し、作業を行なうことができました。

本日は昨日に引き続き、調査区内を掘り下げる掘削作業と地形を測る平板測量を行ないました。

掘削作業では本日新たに調査区を設定しました。

本日設定した調査区は待兼山2号墳の付近です(地点2)。

(クリックすると大きく表示されます。)

これからの成果が楽しみです。

もう1つの調査区では昨日までに引き続き、掘削作業を行ないました。

写真は、今回調査初参加のお2人。

ナイス笑顔!

そろそろ土量が増えてきて大変ですが。。。

この調子で明日以降も頑張りたいと思います!(K)

 

 

 

 

 

 

 

 

発掘調査の天敵

今日は月曜日、新しい一週間が始まります。

本日は先週に引き続き、平板測量と掘削作業を行ないました。

掘削作業では、土の堆積状況を調べるためにサブトレンチ

(赤いラインの部分)を設定しました。

サブトレンチとは、トレンチ(調査区)全体の状況をしるために

部分的に掘削する箇所のことです。

この調査区では気になる土層があり、その性格を確かめるために

本日掘り下げてみました。

 

土の堆積状況を知ることによって、遺構の有無を精査中です。

測量調査も進行中。

先生から指導していただく場面も。

ただし、今日は午後から雨が降ったため、平板測量を途中で切り上げて

図面のチェックを行いました。

 

 トレース台(蛍光灯などで下から光で照らせる机)を使用して測量図面を重ねていきます。図上で点がずれていると後日測り直しになるため、慎重にチェックします。

 さて、発掘調査中の天敵は、なんといっても(だと私は思うのです)。

最近調査地付近では雨が多いせいか(あ、雨も天敵ですね)、

蚊が多くて、大変。

例年は蚊取り線香を使用していますが、本年は新たな機器を導入しました。

 

腰につけることが出来て、動きも軽快です。

山中での作業となりますので虫に注意しながら

調査を進めたいと思います。(T)

 

発掘調査の基礎勉強

本日は、雨天により室内作業になりました。

主な作業内容は、先日までおこなってきた測量調査のチェックや

国土座標などの計算です。

新しい成果があがったわけではないので、

この機会に

”どうして発掘調査で、お墓や住居のカタチがわかるのか”といった

よくある疑問にお答えしたいとおもいます。

 

まず、考古学で使う用語を整理してみましょう!

遺構:遺跡の中にある不動産的な痕跡。たとえば住居址、土坑、お墓など

遺物:遺構に埋没している動産的なモノ。土器、石斧や鏡などの道具。

基本的にこのように呼び分けることができます。

 

それでは、発掘をしている時、どうやって遺構がわかるのでしょうか。

実は、土がその鍵を握っています。

土は、長い年月を経て堆積しています。

ほこりが積もるように堆積する場合もあれば、大雨で土砂が流れて堆積する場合もあります。

このように様々な条件の下で堆積作用がおこるので、土の色やたまり方が異なってみえるのです。

同じ特徴がある土のまとまりを「土層」といいます。

基本的には最上層の土層を剥いだら、一昔前の土層が現れ、さらに掘り下げれば、より昔へ溯ることが出来ます。

まるでタイム・マシーンのように・・・

ただし、土層は自然に堆積するだけでなく、ゴミ穴を掘ってゴミを捨てたり、土を盛って建物の基礎としたりするなど、人為的な作用によって堆積する場合もあります。

人為的な堆積と自然堆積が織り交ざって、遺跡は形成されるのです。

図を見ながら詳しく説明しましょう。

下の図は、地面を垂直にカットした様子を示しています。

黒い地表面を掘り下げると

地層②にゴミ穴1が埋まった土がみつかり、

地層②を取り除くとゴミ穴3を掘った痕跡が土層③のなかに発見できます。

このように発掘をすると、上下関係に基づいて遺構から出てくる遺物の相対年代も分かります。層が乱れていなければ、同じ層から出てくる遺物は、(基本的に)同時代に埋もれた可能性が高いのです。

では、土層のなかにどうやって遺構がみつかるのでしょうか?

一例をあげましょう。

下の写真は昨年まで大阪大学考古学研究室が発掘した

長尾山古墳の埋葬施設(遺体を埋葬したところ)を調査しているときの写真です。

(長尾山古墳の調査成果については、こちらをご覧ください

http://www.let.osaka-u.ac.jp/kouko/hpnagaoyama2011/index2011.htm)

緑色の線の内外で土の色がちがうことがわかるとおもいます。

緑色の線は、埋葬のために掘りこんだ大きな墓あなの線で

内側は埋葬後、墓あなを埋めた際の土です。

このように土の違いを平面的に見極め、

どのように堆積しているのかを垂直方向に確かめながら

どのような遺構が埋蔵されているのかということを調べてゆくのです。

長尾山古墳の調査では未盗掘の埋葬施設が発見できました。

今年はどういった遺構が発見できるでしょうか。

 

今回の調査は毎週日曜日が休みです。

明日はゆっくり力を蓄えて、

また月曜日から新しい発見を求めて頑張りたいと思います(T&J)。

測量の知識 入門編

本日の発掘調査も素晴らしい快晴の中で行なうことができました。

待兼山から箕面方面を眺めた景色です。

この景色を眺めることのできる竹林の調査区では

昨日に引き続き掘削を続けております。

竹の根っこが広がり掘りにくいですが、今日おおかた除去することができました。

さて、もう一方の調査区(地点2)です。

木の生い茂る中で、昨日に引き続き平板測量を行なっています。

平板測量は、平板という機器(上の写真で手前の彼がつかっているものです)を用いて、

等高線を図化し、調査地点の周囲がどういった地形なのかといったことを調べる作業です。

地形を把握しながら、等高線の行く先が真っ直ぐにのびるのか、曲線を描くのかといった点に注意して、方眼紙に書き込んでいきます。

こうしてできた地形図をもとに、自然地形であるのか、それとも人為的な痕跡が

地形にあらわれているのかといった情報を得ます。

さらに、この測量図をもとに、遺跡がもっとも遺っていそうな箇所に、

調査区を設定して、そこを実際に発掘してゆくのです。

(あてずっぽうで掘っているのではないのです。)

平板を立てたり、測量図を描くためには練習が必要です。こういった作業を通じて考古学の基本技術を学んでいくのです。

 

夏の終わりも感じながら、今日も遺跡に思いを巡らせています。(M )

平板測量

本日で調査も4日目に入りました。

あともう少しで一週間です。

竹林の調査区で設定したトレンチを土の色に気を遣いながら、

層ごとに剥いでいくように掘削します。

しかし、竹藪であるが故の困難に直面しました・・・

複雑に入り組んでいる根っこです(下の写真をご覧ください)。

 

本日の大部分を根の除去に費やしたので、明日からよりスムーズに掘削できると思います。

今日でおおよそ表土(我々が毎日踏んで歩いている土のこと)を取り除くことができました。

これから何が出るかが楽しみです。

一方で、地形を把握するための平板測量を開始しました。

測量をしている様子です。

等高線を測り、それを図化していきます。

土曜日に雨が降る確率が高いそうですので、

できるだけ多くの作業を明日のうちに終わらせるように頑張ります(J)。