事前勉強会と結団式

本日は事前勉強会を行ないました。

発掘調査には、大学院生から大学1年生まで参加します。

そのため、調査内容・目的の確認や新たに加わったメンバーのための基礎勉強を目的とする一日を設けます。

発掘調査する篠窯のこと、窯の構造や須恵器の部位名称など、テーマ別に学部3年生に発表してもらいました。

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「篠窯跡群概説」

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「篠窯跡群の須恵器生産」

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「篠窯跡群における緑釉陶器生産」

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「篠窯跡群における瓦生産」

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「篠窯跡群における窯構造について」

また、写真を交えながら遺跡の紹介や作業の流れについて大学院生が発表しました。

事前勉強会の後、結団式。今日から大阪大学西山1号窯発掘調査団の発足です。

皆さんの自己紹介と先生方のご指導を受けて。

明日、西山1号窯との一年ぶりの再会です!今年も全力を尽くして頑張りたいと思います。

(J)。

いよいよ今年も発掘調査がはじまります。

8月21日より大阪大学考古学研究室では、京都府亀岡市篠窯跡群にある西山1号窯の発掘調査を開始します。

発掘調査に向けて、現在、準備中です。

17日の日曜日には、発掘でつかう機材の練習をしました。

また今日8月19日は、発掘調査現場にもっていく機材の準備をしました。

掘削のための道具や記録用の文房具、撮影機器などに加えて、食器や食材、掃除道具等も準備します。
また、機材は状況の確認やメンテナンスもたいせつ。

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例えば、晴の日も雨の日も命であるブルーシートを洗ったり、

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発掘で大切な道具を整理整頓したりなど…

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道具リストの最終チェックをしてから、今日の作業が一応完了しました。

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発掘調査を開始する直前の緊張感がだんだん出て来ました。これからもわくわくで頑張りましょう。

このブログによる具体的な調査内容の更新は8月20日から更新いたします。

今年もどうぞ宜しくお願いいたします!(R)

調査終了!!

本日はとうとう調査終了日となりました。

昨日、発掘現場より撤収した機材を、大学へと運びます。

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お世話になった宿舎にも別れを告げ、撤収作業を進めます。

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大学に戻り、機材を積み下ろすと、発掘現場で使用した機材の手入れを行ないます。

毎日手入れをしている機材ですが、調査を続けている間に土や泥などで汚れがついてしまいます。

それをしっかりと落とし、来年の調査でもしっかり使えるようにしておきます。

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機材の手入れ、片付けまでおこない、調査が終了となるのです。

 

 

 

本日をもちまして、2013年度西山1号窯発掘調査は終了となります。

皆様には当ブログを御愛読いただきまして、誠にありがとうございました。

また、来年度も発掘調査を予定しており、その成果もブログを通じてお届けしたいと考えております。

今後とも、是非ご期待下さい。(M)

埋め戻し終了!!

本日で発掘現場での作業は最終日となりました。

 

調査区2では今日まで、取り上げていなかった遺物の取り上げ作業を行ないます。

遺物を傷つけないように、丁寧に取り上げを行ないます。

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調査区1で検出されていた、焼台の列も本日取り上げました。

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昨日に引き続き、発掘現場に置いていた機材も順次撤収していきます。

機材を置いていたテントも解体しました。

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掘削、作図、写真と、約3週間作業を行なってきた調査区も本日で埋め戻しです。

来年の調査のことも考え、表面を真砂土でおおい、遺構を保護します。

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約3週間かかり掘削した調査区も、埋めてしまうときは儚いものです。

1つの調査区につき、1時間半ほどで埋め戻ってしまいました。

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思い返すと名残惜しい限りですが、調査区の埋め戻しも完了し、

調査地での作業を終了することができました。

 

明日は、大学へと現場機材を運ぶ予定です。最後まで怪我のないよう注意していきたいと思います。(M)

現場も大詰め

本日は昨日に引き続き晴天で、木陰のある発掘調査現場は非常に過ごしやすい環境となりました。

しかしこの「雲ひとつない晴天」は、とある作業においてはとても困った存在となります。

 

それは写真撮影です。

 

遺構の写真、特に全体像を撮影する際には、土色の違いなどを性格にあらわすために、直射日光のかからない状況が求められます。場合によっては日よけ幕などを用いて遺構にかかる光を防ぎます。

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しかしどうしても人力には限界があるため、写真撮影に適した状況になるまで辛抱強く耐えなければならないこともあります。この待ち時間は独特の緊張感に包まれています。

無事にベストコンディションでの撮影が成功した時は、喜びもひとしおです。

 

この他には、現場でもう使わない道具の撤収や、先日の台風で一部が崩れた土嚢の積みなおし、測量などを行ないました。

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午後には研究室の福永先生が来訪され、最後には本日作業に参加していた全員で記念写真を撮影しました。

いよいよ明日には埋め戻しが始まります。最後まで怪我のないよう気を引き締めてかかりたいと思います。(U)

閉合トラバースと写真撮影

本日は台風一過と呼ぶにふさわしい、雲ひとつない晴天でした。

 

そろそろ、発掘調査も終盤です。

今日は閉合トラバースを行ないました。

閉合トラバースは発掘調査で用いる杭の位置関係を確かめる作業です。

ここで確かめる杭に、国土座標が分かっている杭(もしくは基準点)を含めることで、遺跡の場所を国土座標で示すことが出来ます。

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また、調査区1・2ではともに調査区内の清掃をおこないました。

写真を撮影する前に、調査区内に溜まってしまった土を除去し、フレッシュな土の面を出します、

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発掘調査では図面の記録とともに、写真による記録も大切な情報です。

デジタルカメラだけでなく、フィルムカメラも用いて撮影していきます。

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今回の調査では軒丸瓦(左)・軒平瓦(右)が出土しました。

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西山1号窯ではこれまで平瓦などが表面採集されていましたが、

軒丸瓦・軒平瓦が発見されたのは初めてです。

 

さて、宿舎に帰ると3日前に誕生日だった大学院生のTさんのために

生活当番がケーキを作って待っていました。

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Tさん、誕生日おめでとう!!

 

 

調査の予定日もあとわずかになってまいりました、

やり残しのないよう、気をつけていきたいと思います。(M)

台風一過

本日未明より台風に見舞われたため、午前中は激しい風雨のなか、宿舎で現場の状態を案じながら過ごすこととなりました。

しかし、午後からは台風一過の晴天。現場での作業を行なうことができました。

まず、本日の作業は昨日からの豪雨で調査区に溜まってしまった水を抜くことから始めました。ブルーシートでしっかりと保護してあるとはいえ、やはり調査区には水・泥などが多少は入り込んでしまいます。

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そしてその後は、良い状態で写真を撮影するため、調査区内の泥や土をきれいに除去していきました。同時に、調査区2では図面を仕上げる作業も行ないました。

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また、OBのKさんが奈良からなんとか来訪。足元も悪いなか、ありがとうございました。

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今回の西山1号窯の調査では、三叉トチンが約10片程度出土しました。

三叉トチン

三叉トチンとは、緑釉陶器を重ねて焼く際に用いられるもので、焼き物同士の融着を防ぐために用いられた道具です。

トチン模式図

Kさんが参加された大谷3号窯の調査でも、三叉トチンが出土しました。

しかし、大谷3号窯の三叉トチンは篠窯における緑釉陶器導入期のものであり、

今回の調査で得られた三叉トチンは、緑釉陶器生産の終末期に属すると推測されます。

これまで、篠窯の緑釉陶器は、トチンを用いず、重ね焼きの痕跡がのこるなどの粗雑な印象をも
たれてきましたが、大谷3号窯や西山1号窯の調査によって良質の緑釉陶器も生産されていたことが明らかとなりました。

とはいえ、どうして導入期と終末期にのみ、三叉トチンを用いるのかといったことなど、解決されていない課題もあります。

このことは遺物の分析を続けていく中で、明らかにしたいと思います。

調査も佳境を迎えています。そろそろ疲れも出てきますが、皆様のご支援に感謝しながら作業に臨みたいと思います。

(K)

 

 

 

今後の調査に向けて

激しい降雨のため、誠に残念ではありますが本日の現地説明会は中止と致しました。

今回の調査では今後、現地説明会の開催は予定しておりませんが、調査成果はこれからも当ブログを通じてお届けして参ります。

また、今回の現地説明会用に作成した資料をこちらに公開しておきますので、ご覧いただけましたら幸いです。

西山一号窯現地説明会資料

 

さて、本日は現場での作業も行えませんでしたので、宿舎での作業を主に行ないました。

今回の調査ではこれまでに大量の遺物が出土しておりますが、その洗浄作業を少しずつ進めていきました。

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下の2枚の写真は、窯でやきものを焼く際に、やきものを支える台として用いられた土の塊の破片です。

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どちらも硬く焼け締まっており、上の写真は柱状の焼台、下のものは四角い形をしていたと予想されます。

調査では、須恵器や緑釉陶器、瓦などのやきものだけでなく、こうした焼台や、窯の構築材のような窯の操業の諸工程を考える上で重要な資料を大事に取り上げています。

さて雨の日の作業は室内だけではありません。

調査区に降雨によるダメージが及んでいないか懸念されたので、数名で現場へ向かい、調査区を保護するブルーシートを念入りに張り直しておきました。

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今年度の調査も少しずつ終わりが近づいて来ています。

今週いっぱいで調査は終了の予定です。

今後は記録作業を進めていきますが、調査で得た情報を精確に記録すべく、最後まで気を引き締めて参りたいと思います。

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図面の作成続行

現地説明会中止のお知らせ

9月15日に予定しておりました西山1号窯の現地説明会ですが、明日は雨天の可能性が高いため、中止とさせていただきます。

期待されていた皆様方にはご迷惑おかけいたしまして、申し訳ありません。

 

以下は、本日の調査成果です。

 

本日は天気も良く、蒸し暑い中での作業となりました。

調査も後半になり疲れも出る頃ですが、栄養ドリンクを飲んで現場に向かいます。

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昨日に引き続き、断面図と平面図の作成を行ないました。

それぞれの担当の箇所を、じっくり観察しながら図を記録していきます。

学部生も苦戦しながらですがこの作業に取り組みました。

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本日はお昼過ぎに三重大学の学生さんが、また夕方には窯跡研究会の皆様が見学にいらっしゃいました。

遺構や出土遺物について貴重なご意見をたくさんいただきました。

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明日からも本日いただいた意見を踏まえながら、調査終盤に向けて調査に励んでいきたいと思います。

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現地説明会中止のお知らせ

9月15日に予定しておりました西山1号窯の現地説明会ですが、明日は雨天の可能性が高いため、中止とさせていただきます。

期待されていた皆様方にはご迷惑おかけいたしまして、申し訳ありません。

予定されていました、現地説明会の資料は後日、当ブログにて公開します。